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草野球超非公式マニュアル
絵と文 イトヒロ
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草野球歴20年のイラストレーターが、独自に学んだ技術、精神論の集大成。イラスト主体、遊び心いっぱいで、子供も楽しめる面白本。
>>著者紹介 >>BookReview
初版1996年10月10日 ISBN4-944098-12-X C0075
A5判/218ページ ●定価 1,363円(税込) |
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プロローグ●草野球の血が騒ぐ
第1章●グラウンドへ急げ!
●チーム結成/人集め/ユニフォーム/場所とり/対戦相手/集合/天気/出欠
第2章●試合開始!
●緊張/打順/守備位置/エラー/反省会/グラウンドの掟
第3章●勝利へのエクササイズ
●練習/キャッチボール/守備/打撃/投手/走塁/グラブ/バット/ボール
第4章●考える草野球
●サインプレー/敵を知る/グラウンドを考える/風水/投手と野手の心理/
マル秘作戦/イメージトレーニング/応援/パワーアップ研究
第5章●より長く続けるために
●記録/機関誌/監督/イベント/審判/ケガ
●参考文献
●トピックス紹介
●あとがき
イトヒロ
本名 伊藤博幸。1954年、宮城県生まれ。イラストレーター。学生時代はまったく運動部の経験がなく、子供の頃の草野球の記憶だけをたよりにクラブチーム「トピックス」を結成、今年18年目のシーズンを迎える。結成以来のショートの定位置を捨て、草野球界の常識を破る「肩のないサード」をめざして超前進守備を採用。その結果「なんとかなるじゃないかイトヒロ」という迷三塁手の地位を築きあげた。東海林さだお氏率いる早大漫研OB野球チームのメンバーでもあり、神宮球場に通い続ける一途なヤクルトファンでもある。
●"草野球"(東京中日スポーツ/ねじめ正一コラム"セブンアイ"(1)掲載)
我が草野球チーム「クーパースタウン・ファウルズ」のライバルチーム「ウィークリー・トピックス」の中心選手であるイトヒロ(伊藤博幸)が『草野球超非公式マニュアル』という題名の本を出版した。「トピックス」は1979年4月18日に誕生したというから、もう18年目に入ったことになる。それにしてもこの本に書かれていることは紛れもなく草野球のことだけである。これほどまでに草野球のことだけを書けるとは稀なことだ。それはイトヒロが小さな頃から草野球に馴れ親しんできたのではなく、大人になって草野球に触れたせいだと思う。草野球の面白さを濁りない視線で見つめている。だから、何年たっても草野球に対して新鮮でいられるのだ。そういう意味ではうちのオクサンをドーム球場に連れていったときにプロ野球選手のお尻に感動したり、ビール売りのお兄さんのきょろきょろしながらもビールを紙コップに注ぐ姿に感動したりするように草野球で起こっていることのディティールを見逃していないのである。この本の中の面白い部分を紹介する。
●グラウンド確保のABC? ●草野球保険って何?
●自分に合った草野球バットの選び方とは ●草野球の審判の選び方
●雨の日のお座敷でやる草野球とは ●遠くへ飛ばす草野球の最新打撃理論とは
●草野球の犬と猫の?
これらだけでなく、まだまだ面白い部分があるが、兎にも角にも草野球の現場から書かれているのが魅力だ。つまり、プロ野球にぜんぜん媚びていないのだ。こんなに世の中にまったく役に立たない草野球ばかりやっていたら、明日の生活はどうするんだろうと心配になって、思わず皆さん買ってあげてくださいと叫びたくなる一冊である。(ねじめ正一、詩人・作家)
●"長嶋バット"(東京中日スポーツ/ねじめ正一コラム"セブンアイ"(2)掲載)
平出隆監督率いる草野球チーム「クーパースタウン・ファウルズ」に4年ぶりに参加した。目指すは落合中央公園。久しぶりのナイターの灯りにそわそわする。右手に野球バッグ、左手に快打洗心と書かれた長嶋さんのサイン入り金属バットをしっかり握り、グラウンドに向かう階段を一歩一歩上がる。階段を上がり切ったとたん、先に到着しているチームメイトたちのキャッチボールをする姿が見える。足早になる。着替えルームでユニフォームを着たが、体重が増えてパツンパツン。おもいっきりお腹を引っ込めながらベンチにいくと、チームの面々が「あ、ねじめさんだ!」とこないはずの人間に驚きの声を上げる。キャッチボールなしでいきなりバッティング練習。「当たりますように」と長嶋さんの
サインバットに祈りながら打ちはじめるが、これがけっこうカキィン、カキィンと当たるではないか。いよいよ試合開始。相手はライバルチーム「トピックス」。このチームは20年以上続いている老舗の草野球チームである。懐かしい顔ぶれにうれしくなるが、試合が始まったら、そんな思いは吹っ飛んで、試合に集中、負けまいとむきになってくる。試合は「トピックス」の打棒爆発して、打球が外野の頭をどんどん越えていき、点数もどんどん離れていく。私はサインバットに当たりますようにと何度も何度も念じながらバッターボックスに入ったものの、三打席無安打。他の選手も長嶋バットのご利益を授かろうと打ったが、これもヒット出ず。ところが、ところがである。私の守備はなかなかのものであった。打球が七度飛んできたが、すべて無難にさばく事ができた。これが自信になって、深夜こっそりと次の試合から毎試合出場するぞとスパイクを磨いたあとに長嶋サイン入り金属バットで素振りをするねじめである。(ねじめ正一、詩人・作家)
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