玄米カイロを使用するときに、もっとも重要な注意事項は、温度の管理です。気もちいいからと、熱すぎる温度で使用するとやけどの原因になります。そのほかはご自分の気もちのよい方法で、いろいろ使い方を工夫してみてください。電子レンジから出すときには、ちょっとぬるめかな、と思うくらいが、おなかにのせてみるとちょうどよい適温です。ゆっくりじんわり温まってください。 |
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玄米カイロの特徴と使い方
玄米カイロと使い捨てカイロの大きな違いは、熱の種類です。いわゆる「温熱療法」には、「乾熱」療法と「湿熱」療法があります。玄米カイロは湿熱(湿った熱)、使い捨てカイロや湯たんぽなどは乾熱(乾いた熱)に分類されます。電子レンジで温めると、ほかほかと湯気が出るところが、玄米カイロの温かさのいちばんの特徴です。湿った感覚が気もち悪いという人もいますが、実はこの蒸気こそが、秘密の力、直接からだに蒸気が作用するのが大切です。
湿った温かさのほうが、より深く熱が浸透して効果があるのは、昔から温湿布がさまざまなからだの不調に使われてきたことからもわかります。自然療法に興味のある人なら、きっと一度は手にしたことがある『自然療法』という本をご存知でしょうか。東條百合子さんの古典的名著です。そこでは、いくつか温湿布の方法が紹介されています。なかでももっとも有名なのは、「ショウガ湿布」。ショウガを煮出した液に浸した温かいタオルを、おなかや背中など患部にあてて温湿布します。痛みや疲労をとり、毒素を出してくれる「手あて」です。ほかにも、ヨモギや枇杷の葉などを使った温湿布など、自然の恵みのエネルギーを、そのままからだに吸収させるような温湿布の使われ方をしていて、とても素晴らしいものです。
ただ、こうした温湿布を自宅で行なうには、かなり大変な準備と手間が必要になります。こうした手間ひまのかかるお手あて方法は、なかなか自分で自分のためにするのは難しいということもありますね。そこで、玄米カイロひとつあれば、毎日いつでも、手軽に自然の力を借りて自分自身の手あてに使うことができます。
もちろん、ほかの温めグッズにもそれぞれよいところがあります。冬の外出には、なんといっても使い捨てカイロはやはり強い味方です。ただし、おなかを温めるつもりで「貼るカイロ」を長時間貼ったままにしていると、からだの表面に血流が集まってしまい、逆に内臓のほうは冷えてしまっているという場合もあります。なんだか調子がおかしいな、というときには、貼りっぱなしのカイロをチェックしてみるといいかもしれません。また、最近は、湯たんぽがエコで安心で見直されていますね。玄米カイロなどのように、温湿布特有の染みこむ温かさはありませんが、お湯から発生する熱量は非常に大きいので、からだを温め、筋肉を温めるにはとても向いています。それぞれの特徴をよく知って、うまく使い分けてくださいね。
(P110〜113「温めグッズをうまく使い分ける」より抜粋) |